学生の年金保険料を親が払うとお得になる

学生の場合、本人が納付することが難しければ親に払ってもらうのも1つの手です。猶予制度を使わず年金保険料を支払うことで、学生本人が将来受け取れる年金額が確実に増額するというメリットがありますが、親も得をすることができます。その理由は節税効果です。

年金保険料の立て替えによる節税効果
家計を一にしている親族、今回の場合は同居している子どもの年金保険料を代わりに支払った場合、その金額は社会保険料控除の対象となり、所得から引かれます。つまり、その分所得が少なく計算されますので、結果、所得税を減らすことができるのです。また、収入が高い人ほど所得税率も上がるので、所得の低い子どもが払うより、所得の高い親が払う方が節税効果としては高くなるのです。

国民年金の学生納付特例制度とは?

学生の国民年金保険料の納付状況としては、6割以上が「学生納付特例制度」というものを利用していることがわかりました。この学生納付特例制度について詳しくご説明します。

学生納付特例制度の概要

冒頭でご紹介したように20歳を過ぎれば学生・社会人を問わず国民年金の加入義務がありますが、学生に関しては申請することで在学中の納付を無期限で待ってもらうことができます。これを学生納付特例制度と言います。この制度を受けるための条件は以下の2つです。

・学生であること(夜間・定時制および通信制含む)
・本人の所得が一定以下であること

所得条件の具体的な計算式は以下の通りです。

〈学生納付特例制度を受けるための所得計算式〉
118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等≧本人の所得

アルバイトなどの年間所得がこの計算の合計額を下回っている場合、学生納付特例制度を受けることができます。学生の場合は養う家族がいないという状況がほとんどだと思われますので、基本的には118万円をラインと考えれば良いでしょう。