公的年金には、国民年金と厚生年金の2つがあります。この2つには加入対象者や受給金額など、様々な違いがあります。残念ながらどちらかを自由に選べるわけではありませんので、自分がどちらの対象になっているか、将来どの程度の受給を受けられるのかしっかり確認して老後に備えましょう。
国民年金と厚生年金の関係性
国民年金は全ての人の基礎となる年金
国民年金は、20歳以上59歳以下の日本に住む全ての人が加入する義務のある年金保険です。すべての人にとってベースとなる年金ですので、「基礎年金」とも呼ばれています。時折、自営業は「国民年金」、サラリーマンや公務員は「厚生年金」と分かれているような言い方をされます。これは間違ってはいませんが、正確ではありません。会社員や公務員は厚生年金の加入者という扱いですが、これは国民年金の保険料を支払った上で、さらに厚生年金も支払っているという形なのです。
厚生年金は国民年金に上乗せされる年金
厚生年金は、国民年金に上乗せされる形で加入する年金です。労働者やその家族の生活の安定および福祉の向上を目的に設置されました。対象となるのは、会社員や公務員など被雇用者と呼ばれる人となります。したがって、個人事業主は加入することができません。対象者は強制加入で保険料も国民年金に上乗せされて納付することになりますが、その分、老後の受給額も多くなります。
国民年金と厚生年金の2階建て年金制度
国民年金と厚生年金の関係性を例える上で、国民年金を1階、厚生年金と2階とした2階建ての年金制度という呼び方をすることがあります。1階の国民年金は日本に住む人であればすべての人が必ず立ち入ることになる、つまり加入する必要があります。その後、会社員や公務員の人は2階の厚生年金にも加入する形になっているのです。さらに最近では、企業年金というものを合わせて3階建ての年金制度とも言われます。ちなみに国民年金のみ加入する人を「第1号被保険者」、厚生年金に加入する人を「第2号保険者」という呼び方をします。