国民年金と厚生年金を比較

実際に、国民年金と厚生年金ではどのような違いがあるのでしょうか。主な項目についてご説明します。

保険料を比較

国民年金の保険料は一律定額です。年度によって変動があるものの、加入者によって金額に差が生じることはありません。ちなみに平成30年度の保険料は、月額16,340円です。一方、厚生年金は、毎月の給与と賞与に18.3%の保険料率をかけて算出されます(平成30年度現在)。したがって、収入が多い人ほど保険料も高くなります。なお、厚生年金の保険料は労使で折半して納付することになりますので、個人が実際に負担する金額は給与の9.15%分となります。

老齢年金の受給額を比較

老齢年金とは、被保険者が一定の年齢に達した時から定期的に支払われる年金のことです。年金と言えばこの老齢年金を指すことが多いでしょう。国民年金の老齢年金を老齢基礎年金、厚生年金の老齢年金を老齢厚生年金と呼びます。

老齢基礎年金受給額の決まり方
国民年金の受給額は納付期間と納付状況で決まります。たとえば、加入期間の全てを満額で支払った場合は年間で779,300円を受け取ることができます。免除制度を利用するとその分減額されますが、免除割合は4種類しかありませんので、受給額の計算は比較的容易です。

老齢厚生年金受給額の決まり方
一方、厚生年金の受給額は、加入期間の収入によって変わるので計算が複雑です。具体的には、定額部分と報酬比例部分の2つを合算した金額になります。特に報酬比例部分は、加入期間全体の平均給与に一定率をかけて算出されますので、自力で計算するのはなかなか難しいでしょう。働き始めから現在までの給与をすべて把握するのは困難な上、計算も複雑だかです。

ご参考に厚生年金の平均月額をご紹介します。平成28年度の厚生労働の資料「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均月額は、147,927円でした。年額に換算すると約177万円になります。ちなみに国民年金の平均月額は55,464円ですので、年額にすると約66万円となります。