毎月納付している国民年金保険料が具体的にいくらか、またその金額はどのように決まっているかご存じでしょうか。今回は、国民年金の保険料の決まり方とその変遷についてご紹介します。

国民年金保険料の決まり方

保険料は1年ごとに変わる

国民年金の保険料は、基本的に個人で差はありませんが、金額自体は毎年見直されています。最近の国民年金保険料のベースとなっているのは、平成16年時点で決定した毎年の保険料額です。平成16年の国民年金法の改正時に、月額保険料は翌年の平成17年より毎年280円ずつ引き上げ、平成29年度の16,900円で固定となると定められたからです。それから現在に至るまで、国民年金保険料は平成16年度時点であらかじめ決定された保険料に、その年ごとの物価や賃金の変動を加味した保険料改定率を掛けた金額になっています。計算式にまとめると以下の通りです。

〈国民年金保険料の計算式〉
国民年金保険料=平成16年度に決定した保険料額×保険料改定率

2018年、2019年の保険料は?

では、実際の保険料はいくらになっているのでしょうか。平成30年度(2018年度)の保険料は、ベースとなる保険料16,900円に保険料改定率の0.967円を掛けた16,340円です。平成31年度の年金保険料の詳細な金額は未定ですが、保険料改定率を加味する前のベースの金額は17,000円に決まっています。平成16年度に定められた16,900円で打ち止めという内容に反して、100円値上げされているので疑問に感じられるかもしれません。これは、平成28年度に成立した年金改革法の中で、一部の被保険者の産前産後の保険料を免除することになり、その財源として平成31年から100円の値上げがなされることが決まったためです。